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エイリだけ新衣装できたよー…あんまり代わり映えしなくてしょんぼり…
この色の取り合わせはなんかなぁ…まだ色変えるかもしれませぬ。
先日カジュさんが前向きにがんばってくださるという事でしたが、たぶんエニシさんがこっちにも黙っちゃいないだろうなぁと思ったらなんかできた。
エニシニエさん、アリババさん勝手にお借りしました。
「で、実際のところどうだったのさ」
「そうだな…」
たまたま入った食事処で顔を合わせた知り合いが斜め向かいでこちらを睨む。
正面には長年の友人が座っていたが隣は空いている。それなのにそこを避けてわざわざ斜め向かい、それも席を一つはさんだ椅子に腰を下ろすところに、自分に対する妙な敵愾心が見て取れる。
「まあ、半分は合ってるが」
付き合いの長い友人はにやにやとそのやりとりを見るばかりで、口を挟む気はないようだ。
「半分? 残り半分は嘘だってわけ?」
最近隊商に入ってきたジンは知人の昔の仲間であるらしいが、こちらの顔を見れば突っかかってくる。
現在この相手が問題にしているのは、共通の知人との出会いの件らしい。
聞いてみれば随分美化された思い出に、冷静なアイリーヤでさえ噴出しかけたほどだ。
「まあ六年前の話だからな。あいつの頭の中でかなりの美化がされていると言わざるをえない」
たとえば。
言った言葉は嘘ではないにせよ、その後の記憶がないのは忘れたかったからか、本当に覚えていないからか。
「実際の説得には大体一時間はかかったぞ。妙に思いつめていた所為かな。
会話がループするので十回を数えたところで手が出た」
「手がって…」
うん、と重々しく頷く。
「ついな、何回同じ事を言わせるのかとこう…」
拳を見せる。
「殴ったわけね…」
「カモちゃん災難だねー」
とうとうこらえきれなくなったアリババが笑い出す。
「アリ、カモじゃなくてカジュだ。
当たり所が悪かった所為か気絶されてな。まあ、繰り返しに辟易していたし、当時の隊商仲間も待たせていたし、これ幸いと引きずって連れて行った」
カジュが連れていたルフに散々小言を言われた気がしないでもないが、それは忘れる事にする。
気付いた時のカジュの慌てようは何だか可哀相になってくるほどで、ちらりと見捨てた方が良かったのだろうかと思わないでもなかった。
体調が万全でないうちから脱走は日常茶飯事、その度に鉄拳制裁をうけるのだが懲りるという言葉はカジュの辞書にはなかったらしい。
どうしてそんなに自殺願望が強いのかと、当時の仲間達も首を傾げていた。
医者の方からもう大丈夫だと診断されるまで手元にとどめておいたが、生きることへの罪悪感を持つようなその言動に、胸が痛まないわけはなかった。
六年ぶりに会ったカジュに、その影が未だにある事を懸念はしていたが。
「あの子の強烈な生に対する負い目がどこから来ているのかはわからなかったが、今はもう大分薄れているようだし。
なんだか最近前向きにがんばる事にしたみたいだからな、六年越しで良い方向に転がるんじゃないか?」
「それがカジュの望む『良い方向』ならいいけどねぇ…」
エニシニエの言葉に、肩を震わせながらアリババが頷く。
「…? 前向きに生きる以外に、あいつ何か悩んでたか…?」
心底不思議そうなアイリーヤに、エニシニエは盛大に呆れ、アリババはこの日一番の爆笑を贈ったのだった。
きっとカジュさんはリーヤに受けた拳は忘れてるんだろうな…
アリ兄さんは何となく一緒にいていただきました。アリ兄さん大好きだ。
エニシさんはきっと正面の席が空いていたとしてもわざわざ斜め向かいに座るタイプだと思う。
話をしたいから近くに座りたいけど、顔を突き合せるのはいやだ!っていう人かなと(